第63回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2004 年 3 月 13 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 澤野 嘉宏 氏(東大数理)
題目: Sharp estimate of the modified Hardy-Littlewood maximal operator
via covering lemmas
概略: 本講演では、 Volbergらが考えた修正Hardy-Littlewood極大作用素の弱(1、1)不等式を考察する。
はじめに、抽象的な可分距離空間に関する結果を整理する。ここでは、得られた極大作用素の
不等式が最良であることを例を用いて証明する。これにより、抽象的な設定での解析には
限界があることが証明される。
次に、抽象的な設定ではなくユークリッド空間で同じことを考える。Tolsaによる結果と幾分か重複
するが、Tolsaによる証明とは違う方法で証明する。その際に用いるのが被覆補題で、さらにその
被覆補題を用いた応用をする。これにより、いままで知られていなかったベクトル値不等式がえられる。
最後に、得られた被覆補題を多様体上で考えられるかを考察し、さらに同じように極大作用素の
有界性に関しても考察して比較する。
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: Piero D'Ancona 氏(University of Rome)
題目: Dispersive estimate for the wave equation with
rough potential
第62回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2004 年 2 月 7日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 町原 秀二氏(島根大・総合理工)
題目: 非線型Dirac方程式の初期値問題
概略: 空間1次元、2次の非線型項をもつDirac方程式の時間局所可解性を示す。
証明には J. Bourgain の Fourier restriction norm を用いる。
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 柴田 徹太郎氏(広島大学・総合科学)
題目: Asymptotic properties of solutions to the perturbed
simple pendulum problems
概略: Abstract(PDF)
第61回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2004 年 1 月 17 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 伊藤 直子氏(東京理科大・理)
題目: 微分項をもつ非線形熱方程式の時間大域解の存在について
概略: 本講演では藤田型と呼ばれる冪乗の非線型項と微分項を持つ
非線型熱方程式の初期値問題に対する十分小さい初期値に対する
時間大域解の存在について述べる.
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00--17:00
講師: 黒田 成俊氏(学習院大学名誉教授)
題目: スペクトル射影の近似と逆反復法
概略: 逆反復法は,固有値の近似値が分かっているとき,
対応する固有ベクトルを精度よく計算する強力な方法で,汎用性を持つ.
一方,10年以上前になるが,我々(鈴木俊夫氏との共同研究)は,
強制振動項を持つシュレーディンガー方程式を解くことによって
固有ベクトルを計算する方法を考案した.これは,汎用性には欠けたが,
その後鈴木さんの研究で,複数のパラメータをもつ逆反復法に発展した.
今回は,これらの研究を再訪し,スペクトル理論の見方を徹底すると,
かなりまとまった形で提示できることをお話したい.また,今までの研究
の中にimplicitに含まれていたことであるが,近似固有ベクトルから
Rayleigh比によって固有値の近似値を計算するときの一般的な誤差
評価公式について述べる.
第60回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 12 月 13 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 赤堀 公史氏(東北大・理学研究科)
題目: Global solutions of the wave-Schr\"odinger
system with rough data
概略: 空間3、4次元における題目の方程式の解の大域存在を、エネルギークラスよ
りも広い空間で示す。証明はI-methodと呼ばれる方法を用いたものだが、波動方程式
に対するL2先験評価がないので、少し工夫が必要である。(Bourgainの方法では、こ
のような困難は現れないが、4次元のように次元が高い場合には適用できないように
思われる。) また、連立系独自の難しさがあり、この証明では、単独の方程式の場合
と違い、相互作用を解析するためにBourgain空間が本質的な役割を果たす。
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: Alberto Parmeggiani (東京工業大学、ボローニャ大学)
題目:The spectrum of certain non-commutative harmonic oscillators:
a perturbation-theoretic approach
Summary:
In this talk I will study, by using perturbation theorythe spectrum of certain 2x2 (globally elliptic)
systems of differential equations. I will especially study the lowest eigenvalue,
by comparing different methods of approximation.
第59回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 11 月 15 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 清水 康之氏(東大数理・COE研究員)
題目: Existence of Navier-Stokes Flow in the Half
Space
with Non-decaying Initial Data
概略: Abstract(PDF)
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 押目 頼昌氏(同志社大・工)
題目: Exponential decay of the Green functions
and
the eigenfunctions of elliptic operators in R^N
概略: Abstract(PDF)
第58回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 9 月 13 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 砂川 秀明 氏 (阪大理)
題目: Large Time Asymptotics of Solutions to Nonlinear
Klein-Gordon Systems
概略: Abstract(PDF)
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 加藤 淳氏 (北大 理)
題目: 波動方程式に対する重み付きStrichartz評価の一般化と自己相似解の存在
概略: 線形波動方程式の解に対する重み付きの時空評価について
考察する。
この型の評価は重み付きStrichartz評価とよばれ、非線形
波動方程式の初期値問題の時間大域解の存在を示すための
重要な道具であることが知られている。
本講演では特に評価に現れるルベーグ空間の指数が、ユ
ークリッド空間上の極座標に関して、動径方向と球面方向
で異なる型の評価について考察する。
このようなルベーグ空間での評価を扱うメリットとしては、
これまで球対称性の仮定の下で示されていた評価が球対称
性の仮定なしに示されることが挙げられる。
証明には波動方程式の解の球面調和関数による展開が用
いられる。また、この評価の応用として非線形波動方程式
の自己相似解の存在が示される。
第57回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 7 月 12 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 中澤 秀夫氏 (東海大・電通大・非常勤)
題目: 消散型摂動を伴う波動方程式の全エネルギーの
exponetial decay
概略:Abstract(PDF)
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 北 直泰氏 (九州大・数理)
題目: 複数の台を持つ超関数を初期データとする
非線形シュレーディンガー方程式について
概略: 非線形熱方程式や KdV 方程式では,初期データが測度の
場合に解を構成している結果が幾つか存在する.
その一方で,非線形シュレーディンガー方程式については,
対応している結果があまり存在しないようである.
一般の測度を初期データに与えて方程式を解くのは大変
難しいと 思われるが,特異性が強いとはいえ具体的な
情報を有する際には,非線形評価が何とか可能になる.
この発表では,初期データがδ関数の場合に解が陽的に
求められることをまず紹介し,その後に初期データがδ
関数の線形結合で与えられる場合でも(時間局所)解が
構成できることを報告する.非線形評価の際に
Fourier 級数展開を用いることで問題が常微分方程式系
の初期値問題にすりかえられること,そして,非線形効果
が解の表示に目に見える形で現れることを伝えたい.
第56回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 6 月 14 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 許 斌(Xu Bin)氏 (東大・数理)
題目: Sobolev norms of eigenfunctions on a closed Riemannian
manifold
概略:Abstract(PDF)
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 佐藤 得志氏 (東北大・理学研究科)
題目: On positive solutions to semilinear elliptic
equation
with exponentially growing nonlinearities
involving
nonnegative forcing terms
概略: Abstract (PDF)
第55回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2003 年 5 月 17 日 (土)14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南6号館 203号室
1.14:30--15:30
講師: 吉川 周二氏(東北大理学研究科数学専攻)
題目: 形状記憶合金のFalk model systemのエネルギークラスに
おける弱解
概略:Boussinesq 型方程式と熱方程式との連立系である
Falk model system のエネルギークラスにおける解の存在を,
Strichartz型の平滑化評価式をもちいて証明を行う.
Tea Time: 15:30-- 16:00 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00 -- 17:00
講師: 伊藤 直子氏(東京理科大理学部)
題目: On some nonlinear dissipative equations
with sub-critical nonlinearities
概略: 本講演では性質の異なる2つの非線型項(消散項と爆発項)を
含む非線型消散型方程式の初期値問題を考える.
ある条件下では消散項が爆発項より強く影響し,時間大域解が存在すること
及びその解の時間減衰評価について述べる.時間減衰評価については,
Wang(2001)の結果では解が線型の解に近づくのに対し,
今回得られた結果は非線型(消散)項が影響している評価になっている.