平成29年度学習院大学スペクトル理論セミナー


第164回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2018 年 3月 24 日 (土) 16:30 -- 17:30
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

16:30--17:30
講演者: Horia Cornean 氏 (Aalborg University)

Title:On the construction of exponentially localized Wannier functions

Abstract : We will give an elementary introduction to the Wannier function theory
and investigate under which conditions such functionscan be constructed.
We will see that the topological obstructions which might prevent
the existence of exponentially localized Wannier functions are essentially the same
as the ones encountered in connection to the classical Hairy Ball Theorem.
The talk is based on joint work with Domenico Monaco (Rome).


第163回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2018 年 1月 13 日 (土) 15:00 -- 17:30
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

1. 15:00--16:00
講演者: 渡辺 一雄氏 (学習院大・理)

題目:偏微分方程式系の解の界面正則性

概略: 三次元の領域を超曲面で二つに分けて,
それぞれの領域で定常 Maxwell 方程式の
\(H^1\)-解 \(B\) の存在を仮定する.
単純に考えると, この解 \(B\) は楕円型正則性定理から \(H^2\)-解となると
考えられるが, 実際にはそうならない解 \(B\) が存在する.
\(B\) の界面の法線方向の成分 \(B_{\nu}\) に関しては, \(H^2\) となる.
この結果を \(3\) 次元だけでなく一般化できることを
報告します.

16:00--16:30 tea time

2. 16:30--17:30
講演者: 田村 英男氏 (岡山大学)

題目: 2次元空間におけるエフィモフ効果について

概略:エフィモフ (Efimov) 効果とは、粗く言えば、3体系において、
2体部分系が負の固有値を有しないにもかかわらず、ある条件のもとで、
3体系自身は無限個の負の固有値をもつ現象をいう。
この現象は、3次元空間においてのみ成立するが、
2次元においても、反対称性を有する波動関数に制限すれば、
p 波レゾナンスから同じ現象が生じることが物理文献で報じられている (super Efimov 効果)。
数学的視点からこの結果について紹介する。


第162回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 11月 18 日 (土) 14:00 -- 17:00
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

1. 14:00--15:00
講演者: 野村 祐司氏 (兵庫県立大・理)

題目:離散 Schrödinger 作用素の埋蔵固有値と閾値レゾナンスの
Persistent多様体について

概略:\(\mathbb{Z}^{d}\) 上の離散 Schrödinger 作用素で、ポテンシャルの
台が有限個のものを考察の対象とします。このとき、閾値に埋蔵固有値やレゾナンスを
持つポテンシャル全体のなす集合の幾何学的な性質、およびそれと作用素のスペクトル
との関係について述べたいと思います。

2. 15:30--17:00
講演者: 曽我日出夫氏 (茨城大・教育)

題目: マックスウェル方程式の一般化と弾性方程式との関係

概略: 何人かの物理学者がマックスウェル方程式を、縦波の存在を許すような方向で
一般化しています。これらが、数学の視点(特にsymbol解析)から何をやっているか
を解釈したいと思います。
そこでの議論は、弾性方程式の一階化表現に密接につながっていることにも触れたい
です。


第161回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 11月 8 日 (水) 16:30 -- 17:30
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

講師 Rodolfo Figari氏 (University of Naples Federico II)

Title: Quantum beating in a non linear double point-like well potential

Abstract: We investigate solutions to the Schrödinger equation with a non
linear double well potential. The quantum beating phenomenon typical of the
linear case is rapidly suppressed by the non linearity. We will make use of
a reformulation of the evolution problem in term of a system of non linear
Volterra integral equations. Some preliminary numerical results will be
reported.


第160回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 10月 5 日 (木) 16:30 -- 17:30
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

講師. Kalyan Sinha (Jawaharial Nehru Center for Advanced Scientific Research)

題目 : On Trace Formulas in Operator Theory

概略: There have been many such trace formulas , one of the most
well-known one is the Krein's formula , motivated by Quantum Physics . More
recently, there have been various efforts linking traces of operator functions
with suitable integrals of de-Rham cohomology classes , which constitute
asmall, but important part of non-commutative geometry . Specifically, we
shall discuss the derivation of the Helton-Howe trace formula as a
consequence of the Krein's trace formula. Kato's theory of smooth operators
plays an important role .


第159回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 8月 5 日 (土) 16:00 -- 17:00
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

講師: Frederic Klopp 氏 (Universite Pierre et Marie Curie)

題目: Resonances for large random samples.

概略: the talk will be devoted to the description of the
resonances generated by a large sample of random material.
In one dimension, one obtains a very precise description for
the resonances that directly related to the description fo
the eigenvlues and localization centers for the full random
model. In higher dimension, in the complex plane, below a
region of localization in the spectrum for the full random
model, one obtains a much rougher description of the
resonances.


第158回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 6 月 17日 (土) 14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

1. 14:30--15:30
講師: 平良 晃一氏 (東京大学・数理)

題目:Strichartz estimates for semi-Riemannian Schrödinger equations

概略: 本講演では半Riemann型Schrödinger方程式上のStrichartz評価
について解説する。半Riemann型Schrödinger方程式とは、Lorentz計量(より一般
に非退化計量)に付随したダランベルシアンに関するSchrödinger方程式である。
この方程式は分散型方程式の一種であり、Kenig, Ponce, Relvung, Vegaらによ
り適切性や非線形問題について考察されている。またトーラス上では、Y. Wang
により, Riemann型とは異なったStrichartz評価が得られることも知られている。
一方で半Riemann型Schrödinger作用素は楕円型でないため、L^p空間やSobolev空
間上での振る舞いが悪い等の問題点もある。そこで適切な保存量の存在を課すこ
とによりこの困難を克服し、Euclid空間上で損失なしのStrichartz評価が得られ
ることを示す。

15:30--16:00 tea time

2. 16:00--17:00
講師: 米山 泰祐氏 (東京理科大・理)

講演題名:波束変換による波動作用素の値域の特徴づけ

概略:本講演では時間依存する短距離型ポテンシャルをもつシュレディンガー方程式に
対する波動作用素を考える。
コルドバ-フェファーマンによって導入された波束変換を用いることによって方程式の
解の表示が得られ、それを用いることにより波動作用素の存在証明や値域の特徴づけが
得られることを紹介する。
また時間が許せば、波束変換による修正波動作用素の構成についても紹介したい。
なお、本研究は加藤圭一氏(東京理科大学)との共同研究に基づく。


第157回学習院大学スペクトル理論セミナー

日時: 2017 年 5月 13 日 (土) 14:30 -- 17:00
場所: 学習院大学 南4号館2階 205セミナー室

1. 14:30--15:30
講師: 後藤ゆきみ氏 (東京大学・数理)

題目:Absence of a Ground State for Bosonic Coulomb Systems with Critical
Charge

概略:We consider bosonic Coulomb systems with N-particles and K static
nuclei. Let E(N, Z) denote the ground state energy of a bosonic molecule of
the total nuclear charge Z. We prove that the system has no normalizable
ground state when E(N, N-1) = E(N-1, N-1).

2. 16:00--17:00
講師: 岡本 久氏 (学習院大学・理)

題目: 移流項が非線形発展方程式の適切性において果たす役割について

概略: 非線形発展方程式の解は有限時間で爆発することもあり、しないこともある。
流体力学に現れる方程式では、移流項があるのが普通である。そして移流項が
解の爆発を押さえるようにしていることが多い。そうした事例を集め、
いくつかの困難な問題を紹介したい。