第86回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2008年 2月 6日(水曜日) 13:00--
場所: 学習院大学理学部南 6 号館 203 号室
講師: Alessadro Teta (University of L'Aquila) Title: Classical behavior in quantum systems: the case of straight tracks in a cloud chamber Abstract: We consider the problem to explain the appearance of a classical behavior in certain physical systems which, in principle, are correctly described by quantum mechanics. The aim is to emphasize that in most cases the limit $\hbar \rightarrow 0$ is not sufficient and the crucial role played by the environment must be taken into account. In particular it is recalled the old problem raised by Mott in 1929 of the straight tracks observed in a cloud chamber, produced by an alpha-particle emitted by a source in the form of a spherical wave. In the seminar we shall describe a simplified one dimensional version of the original model, consisting of a test particle and two harmonicoscillators, where a rigorous mathematical analysis can be carried out. A superposition state of two wave packets centered in the origin with opposite momentum plays the role of the spherical wave and the oscillators replace the atoms of the chamber. Under suitable assumptions on the physical parameters of the model, a detailed analysis of the time evolution of the system can be performed using time dependent perturbation theory. The result is a quantitative estimate of the joint excitation probability of the oscillators. In particular it is shown that such probability is essentially zero if the two oscillators are placed on opposite sides of the origin, while it has a finite, non-zero value in the other case. The method of the proof is entirely elementary and it is essentially based on a stationary phase argument.
第85回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 12月 8日(土曜日) 16:30--17:30
場所: 学習院大学理学部南 6 号館 203 号室
1. 16:30--17:30 講師: 新井朝雄氏(北大・理) 題目: 時間作用素について
第84回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 11月 17日(土曜日) 14:30--17:30
場所: 学習院大学理学部南 6 号館 203 号室
1. 14:30--15:30
講師:進藤久和氏(東京理科大・理)
題目: $L^p$-spectral independence of fractional Laplacians
概略:
$L^p$におけるシュレーディンガー作用素のスペクトルが $p$ に依存
しないことは,すでに, B. Simon ('80) や R. Hempel--J. Voigt ('86) によって
広いクラスのポテンシャルに対して示されている.この結果の自然な
一般化として,分数冪ラプラシアンをポテンシャルによって摂動した
作用素のスペクトルが$p$に依存しないかという問題が考えられる.
本講演では,この問題に関し,これまでに得られた結果を紹介したい.
また,この問題を考える前提として,摂動した作用素が各 $L^p$ 上で
定義されていなければならないので,その定義についても相応の時間を
割く予定である.
15:30--16:00 tea time 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00--17:30
講師: 吉冨和志氏(首都大学東京)
題目: Dirac operators with periodic δ-interactions -Spectral gaps and inhomogeneous Diophantine approximation
概略:
周期的な点相互作用に従う 1 次元 Dirac 作用素スペクトラルギャップについて考察する.
点相互作用は不等間隔格子 ${0, \kappa}+2\pi {\mathbb Z}$ 上で与える.スペクトラルギャップの漸近的性質と,
作用素に含まれるパラメータの数論的性質を結びつける結果を得たので、紹介したい.
第83回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 9月 6日(木曜日) 15:00--17:30 場所: 学習院大学理学部南 6 号館 203 号室 1. 15:00--16:00 講師: Tatyana A. Suslina (St. Petrsburg 大学) 題目:Homogenization of a stationary periodic Maxwell system 16:00--16:30 tea time 南 4号館 4階 403 2. 16:30--17:30 講師: Vladimir S. Buslaev (St. Petrsburg 大学) 題目: Differential equation for the eigenfunctions of the continuous spectrum with respect to the spectral parameter 尚, Buslaev, Suslina 両教授は 9月 15日まで学習院大学理学部に滞在の 予定です。
第82回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 7 月 21日(土曜日) 14:30--17:30
場所: 学習院大学理学部南6号館203号室
1. 14:30--15:30
講師: 眞崎 聡氏(京都大学・理)
題目: 非線形シュレディンガー方程式の解の漸近展開について
概略:
べき乗型非線形項を持つ非線形シュレディンガー方程式の解の
時刻無限大付近での漸近挙動を考えます。
非線形項は短距離型でさらにそのべきが偶数であると仮定します。
短距離型であることから非線形項の影響は時間無限大のときに
0に近づき、解は自由解のように振舞います。
本講演ではその自由解から出発して、べきが偶数であることを利用し、
漸近展開を与える関数列を定義していきます。
15:00--16:00 tea time 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:00--17:30
講師: 小薗 英雄氏(東北大・理)
題目: Harmonic vector fields and the stationary Navier-Stoeks equations under the general flux condition
概略:
境界が有限個の滑らかな連結成分からなる3次元空間内の有界領域において,
非斉次境 界値を与えた場合の定常ナビエ・ストークス方程式の可解性について考察する.
非圧縮性条件から,与えられた境界上の関数は,
各連結成分の”流量の総和”が零であることが必要条件であることが従う.
この必要条件下での同方程式の定常問題の可解性は,長年の未解決問題である.
これまでのところ,各連結成分における流量が零という制限された条件においては
可解性が得られている.
本講演では,一般的な3次元有界領域における$L^r$-ベクトル場に対する
Hodge-Kodaira型分解定理を紹介した後,その応用として,
非斉次境界条件下における定常ナビエ・ストークス方程式の可解性 について
得られた新たな知見を紹介する.
尚,本講演の内容は柳澤卓氏(奈良女子大・理)との共同研究に基づいている.
第81回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 6 月 16日(土曜日) 14:30--17:30 場所: 学習院大学理学部南 6 号館 203 号室 1. 14:30--15:10 講師: 須子 淳一氏(東大数理) 題目:1次元の周期的Schr\"{o}dinger作用素のスペクトルについて 概略: 周期的なポテンシャルを持った一次元のSchr\"{o}dinger作用素について
ギャップの幅とポテンシャルの滑らかさの関係は詳しく研究されてきた.
ポテンシャルが連続な場合はギャップの幅が$0$に収束することが知られている.
この講演ではこの結果のポテンシャルが局所可積分な場合についての拡張を
別の方法で証明する.また局所可積分なポテンシャルを用いて表されないような
Schr\"{o}dinger作用素も扱う. 2. 15:20--16:00 講師: 毛 仕寛氏(東大数理) 題目: Singularities of solutions to schrodinger equations with constant magnetic fields 概略: considering 2D schrodinger equation with constant magnetic fields, we study the singularities of the solutions. we prove a propagation result of the singularities of the solutions, which extends the reconstruction of singularities of harmonic oscillators. 16:00--16:30 tea time 数学科図書室 南4号館 3階 3. 16:30--17:30 講師: 佐藤 友彦氏(学習院大学計算機センター) 題目: Asymptotic non-degeneracy of the solution to the mean field equation 概略:本講演では、境界が滑らかな2次元有界領域における 平均場方程式を扱い、 その解の漸近的非退化性について報告する。 これは2次元領域におけるディリクレ境界条件がついた Liouville 方程式の 正値パラメータを小さくした時の 解の漸近的非退化性を応用したものである。 今回はまず漸近的非退化性についての先行結果である Gladiali と Grossi の結果と、 関連する爆発解析の結果から紹介する予定である。
第80回学習院大学スペクトル理論セミナー
日時: 2007年 5 月 19日(土曜日) 15:00--17:30
場所: 学習院大学理学部南6号館203号室
1. 15:00--16:00
講師: 小林 政晴氏(東京理科大理学部)
題目: Modulation空間について
概略: この講演ではH.G.Feichtinger, K. Gr\"ochenig らにより研究されてきた
modulation空間及び, 我々のmodulation空間を紹介する. 先ず, 彼らにより研究
されてきた通常の意味でのmodulation空間の定義とその空間の基本性質及び
Weyl対応の擬微分作用素との関連について述べる. その後, 我々のmodulation 空間
とその性質を紹介する. 時間があれば最近の非線形偏微分方程式に関連する話題
についても紹介したい.
16:00--16:30 tea time 数学科図書室 南4号館 3階
2. 16:30--17:30
講師: 高橋 太氏(大阪市立大学)
題目: 臨界 Sobolev 型方程式の爆発解析と漸近的非退化
概略: 臨界 Sobolev 指数を含む変数係数 Brezis-Nirenberg 型方程式の
最小エネルギー解については、パラメーターを $0$ に近づけたときの
漸近挙動や爆発点の特徴づけが最近の研究によって明らかにされている。
この講演では、パラメーターが十分小さいとき、
係数関数と領域の Robin 関数についてのある仮定の下で、
最小エネルギー解の回りでの線形化作用素の可逆性について報告したい。